和と洋を楽しむ門柱と坪庭 福井市
- トータルエクステリア
これぞ“和風モダン”という感じの仕上がりになりました。
沓脱石(くつぬぎいし)や筧(かけひ)など昔ながらの日本庭園に不可欠な物や、洋風的なヘデラヘリックを植えたりと、落ち着きもありつつ華やかさもプラス。
展示場の良い点は色んな家が一度に沢山見て回れる事かも知れませんが、外構も同じです。
家が一軒一軒違うのと同じで、家の周りもその建物に合わせてデザインするので微妙かも知れませんが、同じデザインはないかと思います。
家の展示場なので家がメインで行かれる方が多数でしょうが、外構も家同様いろんなデザインができるので、家の見学がてら観て参考にして頂けたらと思います。
今回施工した東日本ハウスさんの外構はリビングから観る外観を重視して施工したので、外からだけではなく、ぜひ建物の中に入ってご覧ください。
まずは正面をご覧ください
門柱の色は建物の色に合わせて落ち着きのある色に決めました。
門柱をくりぬいて間を開けたり、落ち着いた色の木調の柱を使ったりと、暗くて重そうな雰囲気になりそうな色ですが、ひと工夫でかなり見た目雰囲気が軽くモダンな感じに仕上がりました。
そして、道路側にはアプローチに似た色のピンコロをランダムに並べました。
ピンコロの色を淡い色にしてランダムに並べると門柱の重厚感とは対照的で、印象が軽くて明るい感じに仕上ります。
いわゆる着こなし術で使われる“ぬけ感”という感じでしょうか
建物が『体』で外構が『洋服』だとすると、カッチリ過ぎてもいず、力が抜けすぎてだらしなく見えたりもしない、適度に力が抜けたいいカタチに仕上がりました
そして、頑丈で繁殖力が強いヘデラヘリックを植えて華やかさをプラス。
ツルがよく伸びる植物です。這うように広がったり枝の節々から気根を出して壁や樹木にくっついてどんどん上に伸びていきます。誰でも簡単に始めれる植物です。
次は、アプローチです。
アプローチはやさしい色の方形石を使い、下草で目地を付けて色のメリハリをつけつつお洒落な感じに仕上げました
やはり、下草などの緑も外構には欠かせないアイテムのひとつですね
全てを中和してくれるような、そんな大切な存在です。
重くなりがちな『和風』のイメージが全体的にパッと明るく、軽くなりますね。
続いて、坪庭をご覧ください
門柱の内側には坪庭があります。
今回使用した砂利は南条産の『南条砂利』という種類です。福井県の南条市辺りで採掘される砂利の種類で、キレイなベージュ色が特徴。和・洋どちらの外構にも使える万能砂利なので、我が社でもよく使用しています。
建物の影が映ってできた門柱のツートンカラーがステキですね
①・・・景石
②・・・水鉢
③・・・筧
*②と③を合わせて蹲(つくばい)という
④・・・御影板石
⑤・・・四ツ目垣
⑥・・・サツキツツジ
⑦・・・ヒイラギナンテン
⑧・・・トクサ
⑨・・・ノムラモミジ
⑩・・・南条産化粧砂利
こちら側には常緑性の低木ヒイラギナンテン(⑦)、新緑の時期に赤葉が映えるノムラモミジ(⑨)、姿が変わっているトクサ(⑧)、定番のサツキツツジ(⑥)を栽植しました 。そこに“ザ・和風”の王道、筧(③)と水鉢(②)と四ツ目垣(⑤)を設置しました。
景石とは・・・庭園美を構成する重要な材料であり、庭内の主要な箇所、あるいは最も重厚感を必要とするポイントに表現力豊かな石を置く観賞用の庭石です。ただ無造作に置かれているようで実は考えて置かれているのです。
つづいてこちらの坪庭もご覧ください
①・・・沓脱石(くつぬぎいし)
②・・・飛石(とびいし)
③・・・タマリュウ
④・・・南条産化粧砂利
⑤・・・杉苔
⑥・・・アラカシ
⑦・・・クロモジ
⑧・・・シャラノキ
⑨・・・ウバメガシ生垣
⑩・・・サツキツツジ
大きな沓脱石(くつぬぎいし)(①)が印象的な坪庭です。さきほどの坪庭とはまた違った趣があります。夏に清楚な白い花を咲かせ、よくシンボルツリーに植えるシャラノキ(⑧)、シャラノキの下にはサツキツツジ(⑩)、どんぐりが成るアラカシ(⑥)、枝を折るとどくとくのスッとした香りが印象的なクロモジ(⑦)、和の庭園には定番の杉苔(⑤)、どこでも育つタマリュウ(③)を植えました。今どきの庭は全てを「和風」「洋風」で統一するのではなく、ほどよくバランスをとって和と洋の両方を楽しみます。南条産化粧砂利(④)のやさしい色味がふたつの特性をうまくまとめていますね。
飛石とは・・・飛石は自然石で平石を用い、敷石は整形の平石の事を言います。歩きやすさと庭の趣を高めるのに使います。
沓脱石(くつぬぎいし)とは・・・縁側や式台の前に置き、履物を脱いでそこに置いたり、踏み台にする石。建物と庭をつなぐ重要な役石です。
まだまだありました
実はこちらにも坪庭があるんです。
これまた違う趣のあるデザインです。
部屋の中から見ると、このようにクロチクと景石(けいせき)、そして御簾垣(みすがき)が臨めます。
御簾垣とは御簾(みす)を下げた形に似せて細い丸竹を横に使って周囲を囲んだ垣根の事です。
クロチクは、その名の通り工芸品の材料に使われる竹の一種です。
初めは緑色で、夏を過ぎるとだんだん黒くなり2年ほどで真っ黒になるちょっと変わった竹です。
日当たりがいい程、真っ黒になります。
ただ竹は繁殖力が強いので、鉢植えを考えていたり庭植えを希望の場合は、私達のような専門業者に依頼や相談する方が安心です。